それにしても

本当に気分が沈む。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040511-00000207-yom-soci

(以下上記ニュースの一部抜粋引用)

タイトル:掲示板に「著作物課金制度古い」…(略)
(前略)
容疑者がインターネット上の掲示板に
「今の著作物に対する課金システムは
古い。ユーザーはクリエイターに直接、
金を払うべきであってCD業者などへ
の中間マージンは無くてもいいはず」
などと書き込んでいることが11日、
わかった。
(中略)
京都府警ハイテク犯罪対策室は「現在
の著作権に関する概念を変えたかった
」とする容疑者の詳しい動機の解明に
つながる書き込みとみて関心を寄せて
いる。
(中略)
(書き込みの引用)「デジタルデータ
に関してはこれからの時代、流通コス
トが限りなくゼロになっていく」「ク
リエイターに直接お金が支払われるな
ら、ソフトはコピーフリーで構わない
」などと書き込んでいた。
(中略)
開発の強い意志を示しているとみられ
る。(これは警察見解ではなく記者の
見解:本間注)

何故こんな記事が載るのだろう?

  1. 上記掲示板の発言に違法への志向は一切ない。(現行法・システムへの批判・提言が違法だというのか)
  2. 一方、警察は、この発言に動機につながる何かを読み、関心を寄せている
  3. ということを報道するYOMIURI-ONLINEは何様なのか?

記事を要約すると

「今の著作物に対する課金システムは古い。ユーザーはクリエイターに直接、金を払うべきであってCD業者などへの中間マージンは無くてもいい、ソフトはフリーコピーでいい」という容疑者の主張が「開発の強い意志」につながった

ということになるが、この要約中で法に触れる行為はあるのか?

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この記事に代表されるようなことが多くの情報メディアによって行われている。別に今回に限ったことじゃない。いつもだ。いちいち驚くのが無粋に思えるほど。

  1. 法に触れて逮捕された奴がいる
  2. そいつはこんなこと考えていた
  3. こんなこと考えていたから違法なことをしちゃったんだね
  4. (あるいは同じことだが)逮捕された奴の考えていたことだから、これはすごい間違ったやばいことなんだぜ

おかしいだろう。

今回の逮捕がよしんば法に基づいている(私はそうではないと思っている)としても、「罪」と「思想」(代わりに「生活」や「嗜好」が入ることもある)は明確に分けて考えねばならない。無意識あるいは意図的にそうした混同を流布させているメディアは端的に不快である。この不快感に慣れたくはない。