会社で

シュレッダーが満杯になり、ゴミ袋の交換をした。カルシウム入りの最近の袋ではなく、厚手のつるりとしたポリ袋。シュレッダーの箱に袋をかぶせていると、そのポリの匂いに、子供の時に持っていたジャイアントロボの人形−その灰色の人形はまさにこの匂いだった−がフラッシュバックし、ほぼ同時に息子のことに思いが跳び、腰を折った姿勢でしばしフリーズする。何かがみなぎってしまって動けないからだの中で、頭だけが瞬時に「ポリ袋、ジャイアントロボ、男の子、プルーストと啄木の凡庸な反復」なるフレーズを組立てる。邪魔な頭。sigh