失念

藤沢の夜

歩きながら母に電話。父の握り気味の右拳を拭いて療法士にほめられたと話す母の饒舌を気にし過ぎぬよう自分に言い聞かせていると、湘南ナンバーのアメ車(多分)が馬鹿でかく馬鹿ラップかけて、車尾を振る。ビバ湘南!
近くの神社はまもなくお祭りで、色付べっ甲飴のような色の提灯が点っている。
ピーコックでトマトとバナナとキーウィで迷っていると、見切り品のスイカを発見し、その瞬間、思い出す。

命日、忘れてたよ。

ごめん。H

寮食のいただきますを彼と彼の家族に捧げ、匂い消しに持って来た中国製インセンスコーン(無地の箱にPeachと印刷あり)を焚き、プラ容器のままスイカ食べて、ブラックニッカのソーダ割り飲むよ。セブンスターじゃなくマイルドセブンで、ノートパソコンに入ってたSFXとNONSVCHのBGMで。
どーだろ?H


そうやって携帯電話からダイアリーを書いていたら、はっとするくらいの有感地震とタクシー2台お願いしますって間違い電話。

相変わらず、世界はシーニュに溢れていて僕は全くそれらをよめない。

なあH!