明日は息子の誕生日。彼の祖父は、この一週間調子が悪く、インターフェースもますます意味不明になっている。祖母は、睡眠不足で、被害者意識にあふれ、一緒にいると気が滅入る。
届いたのかどうかわからない、グリーティングの文面を繰り返し読んでいると、友人からメール。
満月の由。
果たして枚方市の上空に朧月。ああ。
月からの可視光、携帯の贈る微弱な電磁波。階層型データベースに残る息子のプレゼント用の振り込み記録。
かたや父の発語。気の触れた何か別の知性。
ほとんど一方通行でしかない中に、時折訪れる、交わしたという手応え。
このような実感なしに生きて行くことが可能だろうか?
友人に感謝して、また見る月。