酒のせいか薬のせいか、最近、朝が早い。

京橋から歩きながら、完全に目を覚ましていくのだが、朝の1号線には、必ず何かしら落ちている。

先日、車道の真ん中に、二つ折りの財布とその回りに札が散らばっていて、ああ拾ったほうがいいんだろうなあ、と思いながらあまりに現実味がなくて、そのまま通り過ぎてしまった。

翌日には、もちろんなくなっていたが、その光景がどうにも夢見のように現実感がなく、むしろ昨日も何もなかったように思えて仕方なかった。

その日から、また、まったく同じように財布がおちていたらどうしようと怖くて、あまり車道を見ないように1号線を歩く。

京橋から桜ノ宮、東天満。夢からうつつへの街道。